防排煙設備満載の点検物件

Dsc_2592.jpg

先日、久しぶりに2日×4名工程と大きめ新規物件の点検に行ってきました。R型であり初日は消火器、スピーカー鳴動、感知器外観、SPヘッド外観等の点検で順調に進み丸2日間も必要かなと余裕こいていましたが防排煙の種類と物量が多く結局丸2日フルでかかる事が判明しました。

まず防排煙の種類。防火戸、防火シャッター、防火ダンパー、排煙ダンパー、排煙口、垂れ壁、防煙スクリーンと完璧な防排煙のオンパレード。この種類以外に防排煙の種類ってありましたっけ?以前どこかのホテルで感知器連動で排煙窓が開く不思議な物件はありましたけど。あとは思いつきません。今まで10年以上消防設備点検していて全種類の防排煙のある物件は初めてです。

防火戸も折り畳み式のタイプは見た事ありましたが何と三つ折りタイプの防火戸でびっくり。初めて見ました。結構三つ折りが二つ折りになり一つにまっすぐになる頃には鉄の板の凶器と化しているので恐ろしいです。シャッターはシャッターboxのkeyがなかなか見つからないというあるある。いつも応援に来てくれる方によると文化シャッターは3,4パターンのkeyらしい。シャッターハンドルは各メーカー揃えておきたいと思いつつ頓挫しておりますがシャッターboxのkeyも是非揃えておきたいと思います。

ほとんど点検を任せていたのでよく理解していないですが、排煙口、排煙ダンパーはモータータイプで手動の押しボタンを押して起動し、引っ張り出すと復帰、真ん中が通常らしい。R型受信機側でも復帰操作できて点検はとても助かった。防火ダンパーも同様で天井裏に多数あったので遠隔操作できてよかった。

問題は垂れ壁と防煙スクリーンであった。垂れ壁はなんと26面同時に起動するタイプで戻す際に1面ずつ手で戻す必要があるのだが、これが結構重い。最初は26面一気に落ちないで何回も試したので何度も手で戻す必要がありこれは大変!!天井に手あかがつかないよう元請けさんが軍手を準備していてくれて助かった。

そして最後の防煙スクリーンであるがELV3機×フロア分あるのだが、一番下まで降ろさないと復旧が効かないタイプで天井裏で手動巻き上げのためかなり厄介。回しても回してもあまり上がらないタイプで3人で替わりバンコ巻き上げに20分近くかかったのではないだろうか。天井裏で手がギリギリ届くかどうか、届いても巻き上げハンドルを回す際に吊り具に腕がぶつかるような位置だったり。今回は体力気力時間が持たないため1か所にとどめ、次回の総合点検にて電動ドリル&アタッチメントで挑むことにした。

ELVは平成10年の建築基準法改正で昇降機の昇降路を防火区画にする必要があり遮炎性能、遮煙性能を有したもので区画する必要があるのだ。ところが消防設備点検をしていてもELV前にそのような防煙スクリーンを見るケースがかなり少ない。私が住んでいるマンションも築6年程度だがELVに防煙スクリーンは存在しない。おそらくELVの扉自体にそのような性能を有していればいいものと思われるが、ELVの扉自体そのような性能を有しているかどうかを判断するにはどうすればよいのだろうか?今回点検した先も新しい建物のように思われたが、もしかしたら平成10年以前建築で既存不適格であり後付けで防煙スクリーンを設置したのかもしれない。建築設備方面はまだまだ未熟なんで少しずつ勉強して理解を深めていきたいと思う。

写真は先日行った新規物件で発見したヤマトプロテック製の自火報受信機です。ヤマトさんは消火器メーカーなのに意外にも警報設備のものを製品にするチャレンジャーなところがありますね。住宅用火災警報器もそうでしたし、火災通報装置もありました。こちらの受信機も見た記憶が無いのでOEMという訳ではなさそうです。初めて見て思わず笑みがこぼれてしまいました。

↓↓新ブログでもランキング登録しました! 是非ブログを読んだらクリックをお願いします。
人気ブログランキングへ


この記事へのコメント

  • ぽん

    これは多分ホーチキ製ですね。ヤマトはホーチキとOEMしてましたから。
    2019年09月19日 08:17
  • うめうめ

    >ぼんさん

    コメントありがとうございます!ホーチキのOEMなんですね~ホーチキの昔の受信機とかって見たこと無かったのかもしれません。ヤマトの住警器はヤマトが子会社作って制作していたようでしたが、いろいろとイマイチでありました。
    2019年09月19日 16:34
  • 通りすがり

    こちらの受信機は、ホーチキ製 RPM-EW05 です。
    すでに話が出ておりましたが、ヤマトプロテックOEM品です。
    2019年09月21日 12:07
  • 通りすがり

    こちらの受信機は、ホーチキ製 RPM-EW05 です。
    すでに話が出ておりましたがOEM品です。
    2019年09月21日 12:08
  • うめうめ

    >通りすがりさん
    コメントありがとうございます!
    ホーチキのRPM-EW05なんですね!調べたら全く同じ形でしたね(汗)
    今までいろいろ点検してきましたが遭遇したことの無いタイプでした…

    この年代のP型2級とか結構点検している気がしてましたがたいてい松下だったんですかねぇ
    2019年09月24日 13:13
  • 特定行政庁職員

    ELV乗場戸自体に遮煙性能があるかどうかは、乗場戸の側面にCASで始まる番号が記載された大臣認定シールが貼ってあるかどうかで判別つきます。
    平成14年6月1日に移行期間が終わって旧来のELV乗場戸が遮煙性能なしということに法改正されたわけですが、
    当初は耐火クロススクリーンを後付けして竪穴区画することを国交省も想定してたけど、すぐフジテックが大臣認定遮煙乗場戸を開発して、他社も追随、今は新築物件ではほぼ99%、竪穴区画が必要な場合はCAS認定乗場戸がついているという次第です。認定条件として火災時管制運転装置とか気密材が必要になりますが。
    なので、ELV前に耐火クロススクリーンがついているのは平成14~16年くらいに新築した物件や、後付けくっつけ増築したケースに多いと思います。
    2019年11月20日 00:57
  • うめうめ

    >特定行政庁職員さん
    貴重なコメントありがとうございます!
    先日、建築設備定期検査で専門の方にお願いしてその際に丁度教えて
    もらったところでした。
    側面に大臣認定シールが貼ってあるのをみせてもらいました。
    耐火クロススクリーンが設置されているのはやはり既存不適格を改修した物件なんですね。結構お金かかるでしょうから公共施設ぐらいしかやらなそうですね。
    2019年11月21日 22:59