
先日、新宿区マンションでの二酸化炭素消火設備の凄惨な事故について書きましたが、第二弾という事で二酸化炭素消火設備の殺傷能力の高さについて改めて考えていきたいと思います。
二酸化炭素消火設備は他の消火設備に比べて人体への影響が大きくヤバいという認識は消防設備士の経験値がある程度ある方達なら共通認識であるかと思います。消防設備士が自殺するならCO2消火設備が最も楽に死ねるなんて冗談がまかり通ってました。ただこの半年での3回の死傷事故を受けて改めて二酸化炭素について調べていくことにより本当にヤバい設備である事を深く認識したので皆さんにもよく理解して頂きたいと思います。
まずガス系消火設備の消火能力なんですが、二酸化炭素にしろハロンにしろ窒素にしろ窒息効果による消火が基本となります。ハロンの場合は燃焼連鎖反応抑制効果も期待されているようです。いずれにしても窒息効果すなわち酸欠により死に到るという意味では、どの設備だろうが殺傷能力は同じようなものと思うかもしれませんが、それが違います。
空気の成分は8割弱が窒素で2割が酸素、1%が二酸化炭素、アルゴン等という事は学校の勉強でご存じかと思います。つまり通常状態で窒素が8割存在するのが当たり前で、窒素がたくさんあっても酸素があれば人体に影響は無いんです。ところが、二酸化炭素の場合、わずか10%で数分以内に意識喪失、30%で死に直結するとの事であります。これを二酸化炭素中毒というらしいです。すなわち酸素云々ではなく二酸化炭素濃度が高いと呼吸中枢を麻痺させて死に到るようで動物の安楽死にも利用されているようです。だから酸欠で死ぬんじゃないんです。
人間は息を止めたままでも1分くらいは我慢できますが、果たして、30%濃度の二酸化炭素を吸い込んだ場合にも息を吸わないのと同様な状況なのかもしくは吸い込んだだけで何らかの神経がマヒし意識を失うのかはわかりませんが、おそらく後者のように思えます。人間が吐く息に含まれる身近な成分なのに濃度が高いだけで死に到るのです。もし目の前でCO2が放射され白いガスが襲い掛かってきたら1呼吸もせずに逃げるしかないのでしょう。
そう考えると二酸化炭素消火器って大丈夫なんでしょうか?二酸化炭素消火器を放射すると白いガスが噴射されますが、噴射されている先でガスを思い切り吸い込んだらヤバいのではないでしょうか?あと車に常備する消棒とかありますが、あれも二酸化炭素消火具となりますが密閉された車の中で使用して逆にヤバい事にならないのでしょうか?疑問はつきませんね。
今回の新宿区マンションの事故では現場の二酸化炭素濃度が20%あったとの事。そりゃすぐに死に到る濃度です。早急に二酸化炭素消火設備の扱いについて法令改正されることを切に願います。
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