
先日、P型1級受信機の移設交換作業を実施しました。この受信機移設作業なのですが古い建物の場合、大家が一番上の階に住んでいて部屋の中に受信機を設置するケースが多く、建物が古くなって大家が引っ越しして部屋を貸し出ししたいが受信機が中にあって貸し出せないから移設して欲しいという要望が数多くあります。
このようなケースでは多くの消防設備士が二の足を踏んで放置する事が散見されるように思います。現に私自身も9F建てのマンションで同様の需要があり9Fの共用部には一切、受信機を設置する箇所が考えられないため移設するなら9F部屋内から1F共用部なのですが「調査してみないと移設可能かどうか不明ですし100万近くはかかるかもしれません」みたいな曖昧な回答をしてしまい、結局話がそのままになっていたりします。
今回は新規案件でして「受信機移設をしたいんだが保守点検を依頼している先が難しいと言われてしまったので移設可能でしたら保守点検もお願いしたい」という依頼。1Fテナント内から2F共用部に移設したいという要望で結構大変かな?と思いましたが、とりあえず現調に伺うと「だいぶ前に2Fテナント内に受信機があって1Fテナント内に移設したことがある」との事でした。2Fテナント内の壁の中を確認すると、それらしき配線があったので後日後輩と仲間と調査に伺う事に。
まず、2Fテナントの壁の中に埋まっている10Pの線や電源線が活きていて1Fテナント受信機に行っているかどうか間違いないかテスターや導通試験で確認。問題ないので2Fテナント壁の中から2F共用部への配線ルートを考えたがRCのためやはりある程度の貫通が必要で、どこを抜くか、抜いた先から受信機へのルートをできる限り隠蔽したいけどやはりモールも必要かな?とか調査。
そんなこんなしていると後輩が「壁の中の10Pなんですが1本は下のテナント行ってますが、もう1本はどこに行ってるんですかね?」というので「総合盤じゃないか??」という話になり2Fの総合盤を開けると狭い総合盤の中に10Pの線が入っていて、そこから分岐されていた。「ここの10Pから受信機持っていけばいいんじゃないですか?」という事になり、総合盤内の10Pが間違いないかも導通試験して問題ない事を確認。すると、総合盤の横に受信機を設置すれば配線が最小限で済むことが判明しオーナーも了承、着工届も受理され、受信機移設交換工事は朝から14時くらいには終わりました。
実際には総合盤からすぐ隣に受信機を設置するだけでも総合盤を加工したり総合盤内の狭いスペースを何とか配線を入れ込んだりして大変でしたが2Fテナント内から貫通して配線する作業が省略されたことを思えばだいぶ良かったと思います。
図面や以前の移設時の着工届はありましたが、上記のような配線ルートは図面からは判断できず調査することによって判明したりします。工事って最初はものすごく大変そうですが進めていくうちにもっと良い楽な方法が見つかって案外すんなり終わったという事がかなりあるように思います。なので、今回の工事を通じて保守点検していて移設工事が放置されているような案件もまずはちょっと調査してみたりしたら案外簡単な方法が見つかってオーナーさんが喜ぶような見積が出せるかな?と思いました。
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